すぐに使えるChatGPTによるアンケート調査のテキスト分析方法を紹介

Excelで使えて、すぐに役立つアンケート自由回答の分析をテーマに、この1年間に実際のアンケート業務で培ってきた、ChatGPTテキストマイニングのテクニックをご紹介します。1年のあいだで、ChatGPTやアドオンツールも進化し、以前はできなかった作業もスムーズに行えるようになりました。このコンテンツは、必要な操作方法について説明しています。考え方や詳細な解説は別の機会にご紹介する予定です。

このコンテンツで学べる実践的技術

  • 文章分割による精度の高いネガポジ分析
  • 簡単で精度の高いカテゴリー分類とアフターコーディング
  • Excelを使った実戦的な手法

動画


このあとご紹介する各作業ステップを説明しています。このコンテンツと合わせてご覧ください。

必要な作業環境について

  1. Microsoft Excel また Google スプレッドシート
  2. 上記のアドインGPT for Excel Word (GPT for Sheets & Docs)

アドインのベンダー https://gptforwork.com/

アドインのインストールやAPIの使用方法は、私の以下の記事も参考にしてください。
https://www.g-plan.net/service/blog/c90

このコンテンツの着地点

実際のアンケート分析作業で使える精度と効率の良さを前提に下記を実現。

  1. ネガポジ付きカテゴリー別クロス集計
  2. フォーカスしたカテゴリーのサマライズ

※図をクリックで拡大

ご紹介する実戦技法

  1. 自由記述回答文の分割/GPT_HSPLIT関数 TOCOL関数
  2. カテゴリーキーワードの抽出/GPT_LIST関数
  3. 回答文のカテゴリー分類/CRASSIFY BulkTools
  4. 回答文のネガポジ(センチメント)分析/CRASSIFY BulkTools
  5. カテゴリー別・ネガポジ別の集計/ピボットテーブル
  6. フォーカスしたカテゴリーのサマライズ/GPT_SUMMERIZE関数

 

1.自由記述回答文の分割/GPT_HSPLIT関数 TOCOL関数

関数・アドインオリジナル関数GPT_HSPLIT
=GPT_HSPLIT(分割対象セル, “paragraphs”)
精度の高いネガポジやカテゴリー分類のためにChatGPTに、回答文を段落ごとに分けてもらう。
※スピル関数なので分割結果は同行の列方向に出力

①関数入力 ②オートフィル

(オプション・回答の傾向からparagraphsまたはsentencesを使い分けるとよいでしょう)
Sections  セクション
paragraphs  ★段落
sentences  ★文
punctuation  句読点

※図をクリックで拡大

【Excel関数TOCOL
=TOCOL(範囲最初セル:範囲最終セル)

列方向に広がった文を1列にまとめる。エクセルの関数です。=TOCOL(範囲最初セル:範囲最終セル,3)などで、空行なしの出力も可能です。

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2.カテゴリーキーワードの抽出/GPT_LIST関数

関数GPT_LIST

GPT_LIST(プロンプト,対象範囲)

ChatGPTにすべての回答データを参照させ、プロンプトを使ってカテゴリーキーワードのリストを作る。(※図の分割後の文はC列、赤文字のプロンプトL列)
結果は行方向にスピル出力されるので、テキストエディタなどでカンマ区切りの1行の文字列に整形しておく。(黄色)

※図をクリックで拡大

 

3.回答文のカテゴリー分類/CRASSIFY BulkTools

BulkTools/アドインのコマンドツールClassify

先に作成したカテゴリーに全文を振り分ける。「緑色のRunボタン」をクリックすると結果は「カテゴリー列」に自動で入力される。指定数を試しに出力できる。

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4.回答文のネガポジ(センチメント)分析/CRASSIFY BulkTools

BulkTools/アドインのコマンドツールClassify

ChatGPTに、回答文ひとつひとつを、positive neutral negative に分類させる。

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5.カテゴリー別・ネガポジ別の集計/ピボットテーブル

Excelのピボットテーブルでクロス集計を行う。

ここまでの作業データを整頓する。

※図をクリックで拡大

ピボットテーブルで集計する

※図をクリックで拡大

 

6.フォーカスしたカテゴリーのサマライズ/GPT_SUMMERIZE関数

【関数】GPT_SUMMARIZE

= GPT_SUMMARIZE(対象範囲)

クロス集計から見つかった特異な回答をまとめてサマリーにする。(例では、治安✕ネガティブの発言を要約している)
上半分は対象回答をフィルターで検索。
下半分は検索結果をコピペして、GPT_SUMMARIZE関数でサマリーにしている。

※図をクリックで拡大

 

ChatGPTを使ったテキストマイニング(2024夏実践篇)は以上です。

 

 

【ChatGPTテキストマイニングシリーズ一覧リンク】

ChatGPTをグーグルスプレッドのアドオンで関数のように使って文のネガポジ分析を行う

第1回 入門編・グーグルスプレッド&API

アンケート自由記述回答をChatGPTでカテゴリー分類しサマライズする方法

第2回 グーグルスプレッド・サマライズ等

ChatGPTのチャットインターフェイスを使って文章からキーワードの抽出と出現回数を調べる

第3回 通常の対話型インターフェイスを使った単語抽出など

ChatGPTでKH-Coder用のコーディングルール自動作成する方法

第4回 マイニングツールKH-Coderとの連携について

ChatGPTにプロンプトをチャットするだけでワードクラウドを作る方法

第5回 ワードクラウドを表示するHTMLを作る

第6回 エクセルをそのままコードインタープリターで加工する

 

【著者・author】

吉澤 隆(よしざわ りゅう)

株式会社マーケティングジャンクション代表取締役
1997年、日本で最初のネットリサーチ会社”マーケティングジャンクションを”を設立。2002年2月、ネットリサーチ系スタートアップ企業が寄り集まって、インターネットリサーチ研究会を立ち上げ活動を開始し、2003年の3月には、6社のツールベンダーとサービス提供会社、300人の参加者があつまり「テキストマイニングセミナー」を開催。以来、アンケート調査の自由記述回答に関するテキストマイニングサービスを提供。2023年3月より誰もが利用できる自由文分析方法として、ChatGPTテキストマイニングの研究・普及活動を展開。当ホームページ、Youtube、他社ホームページ向けの寄稿を行っている。

 

 

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